タンパク質とアミノ酸

 

現代人は栄養不足と言っても糖質と脂質は十分摂取していますが、タンパク質(とミネラル)は不足しています。

タンパク質が不足するとサルコペニア(加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下)やフレイル(高齢者が筋力や活動が低下している状態(虚弱))につながる恐れがあります。

 

タンパク質は人体では水分に次いで多く存在しています。低栄養な状態が続くと体に必要なエネルギーを獲得するため体は筋肉を分解してエネルギーを作ります。この状態を放置していくと筋力がどんどん弱くなり、筋肉量も低下していきます。

筋力が低下すると、歩くのも疲れるようになり、階段や坂道が登れない、そのうち家からも出るのも億劫になり動かなくなる、最終的には寝たきりのような状態になってしまいます。

 

若い方でも、体内の筋肉量が減ると基礎代謝(何もしなくても消費するエネルギー)が減少し太りやすく、痩せにくい体質になってしまいます。これを放置していくとメタボリックシンドロームにもつながります。

 

タンパク質を取るには

タンパク質は肉や卵、豆類に多く含まれています。これらを摂取すると、消化されてアミノ酸に分解し、アミノ酸の形で吸収されます。

 

タンパク質

↓胃酸で分解

↓膵液酵素で分解

ペプチド

↓小腸粘膜で分解

アミノ酸

吸収

 

タンパク質がしっかりとアミノ酸に分解され吸収されるにはいくつか重要なポイントがあります。

・胃酸の分泌が少ない(胃酸をおさえる薬を服用している方は注意が必要です)。

・消化酵素が少ない(消化酵素がうまく働くには様々なミネラルが必要です)。

・小腸などに炎症があると未消化のタンパク質はアレルギーの原因になる事があります。

(リーキーガット症候群)

上記のような場合はタンパク質をたくさん摂取してもうまく分解・吸収されない、あるいは逆に有害な事が起こる可能性があります。ではそのような時はどうすればよいか?

 

胃腸の状態や消化があまりよくない方には初めからアミノ酸に分解されている商品をおすすめしています。分解する必要が無いので、しっかりと吸収されます。

アミノ酸の商品にも色々ありますが、サルコペニアやフレイルの状態を改善するにはアミノ酸スコアが100の物が必要です。

また、自分がタンパク質不足しているか知りたいという場合は血液検査で総蛋白とアルブミン値を調べてもらうと状態を把握できます。

最近疲れやすい、からだがつらい等の症状がありながらも他に異常が見当たらない場合はタンパク質の状態もみてみましょう。

病院でもらった血液検査のデーターがあるけど、見方が良くわからない場合は薬局にご持参ください。